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パリの地下鉄はセーヌ川の地下を渡り右岸と左岸を繋いでいる。
ちょうどその中間にある駅がシテ島のCité駅だ。


数十年前に初めてこの駅に降りた時、まるで迷宮へ降りた感覚に陥った。

鉄の素材が地下空間へ伸びる冷やかな感触。
開業は1910年、世紀末のデザインが結実した頃だ。

地下の大空間は、見方によっては舞台装置のようにも見える。
大きな階段からドラマの主人公が登場しても不思議ではない。


開業から数十年後のパリ。
ナチス政権下では地下空間がレジスタンス運動の拠点となった。
現実のドラマがパリの地下で展開されることになろうとは
誰も想像していなかったことだろう。


パリの建物に使われている石は地下から掘り出されたものが多いという。

全ては地下から始まっている。

そして未だ見ぬ地下の迷宮がパリに眠っている。





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