back to TOP

admin |  RSS
img949w_2.jpg

Deardorff

この8×10大判カメラは木製で比較的軽いと思われているが、それでもフイルムホルダーやレンズ、大きな三脚を一緒に持つと、相当な重さになる。

私は無理を承知でこの一式を抱えてパリまで行っている。

移動手段は地下鉄と徒歩。雨が降ると何処かの軒先で雨宿りするしかない。
両手がふさがっていて傘を同時に持てないからだ。

早朝このカメラを引きずって歩いていると「Musician?」と声をかけられる。
大きなバッグには楽器でも入っていると思うのか。

撮影場所でカメラをセットすると、それだけで目立ってしまう。
それもあって早朝の人気のない時間を選んでいるのだけれど、通勤途中の地元の人が親指サインで「いいね」と通りかかると、照れずにはいられない。

パリでは表現することや創作することに寛容な雰囲気がある。



昨年の暮れ、一通の喪中葉書が届いた。それはU氏が他界した知らせだった。

U氏の店で私はディアドルフを買い、その後幾度もカメラについて、レンズについてU氏の丁寧なアドバイスを受けた。
私が旅に出る前など、ディアドルフについて長い時間語り合ったことが懐かしい。


これからはU氏のアドバイスは得られないが、U氏の言葉が詰まったディアドルフを抱いて、また旅に出る。







COMMENT FORM
URL:
comment:
password:
Template by :FRAZ