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 【No.61】量と質  2015/09/20 (Sun)
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大学時代、友人のアパートへ行った際に一冊の写真集を差しだされた。
森山大道氏の写真集だった。まだ写真にはそれほど惹かれてはいない頃だったが、氏の名前は知っていた。友人は森山氏の写真を気にいっていて、頁をめくる自分に同調をもとめる素振りだった。時代を経て森山氏の写真が今でも人気のある要因は、早くから自身のスタイルを確立していたからだろう。

雑誌に載っていた森山氏の言葉でうなずいた一節がある。

「量のない質はない」

咄嗟にうず高く積まれた印画紙の量を想像した。
もちろんそれら全てが陽の目をみることはなく、選ばれた一部だけが私達の前にさらされるわけだが、クオリティという言葉に慣らされている今の自分達には何処か響くところがある。
量より質という幻想にとらわれて、これまで何かを見失ってきた気がするからだ。

絵画におけるデッサンもまた量が重要視されるのは同様だ。デッサンそのものは目にする機会こそ少ないが、一枚の絵のベースになったデッサンの量がその過程を支えていると言える。

こと自身の制作に目をむけると、まだまだ量というには程遠い域に留まっている気がする。
量の先にある質へ、まだ先は長いのかもしれない。




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