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 【No.59】川へ  2015/07/20 (Mon)
▲P9130644

川へ飛び込んだことはあるだろうか。

まだ小学生の頃、虫を捕まえに翻弄し川岸の草に止まっていた虫に手を伸ばした。大きな川だったので
「踏み出せば虫は捕まえられるが、川へ流されて死ぬかもしれない」
咄嗟にそう感じたことを覚えている。

さすがに大人になれば分別なしに川などには飛び込む理由はないが、よくテレビで野球ファンが優勝した興奮で飛び込む姿を見かけると、またやったかという冷めた視線を投げかける自分と、自分も何かにとらわれず思い切り飛び込んでみたいというもうひとりの自分がいることに気がつく。

自分でも不思議に思うが、川のもつ吸引力に導かれて人はしばしば川へ飛び込んでしまうのかもしれない。

立ちはだかる大きな流れが目の前にあるとき、その先にある岸辺へ渡ろうとする本能。

生死の迷いを海や河にたとえて、向こう側の岸は「彼岸」と呼ばれている。
たまに目を凝らして遠くを見つめているが、まだ自分に彼岸が見えないのは幸せなことかもしれない。



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