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鏡に向かい自画像を描く。
それは自分に見える外面だけでなく、内面も見なければ絵にならない。ただ意図せずに内面が出てしまうのが自画像の面白さでもある。

ミュンヘンにある国立美術館アルテ・ピナコテーク。
印刷でしか見た事のないその絵に出会った時、絵というより画家その人に出会ったような気がしたのを覚えている。
1500年、アルブレヒト・デューラーが描いた自画像は時をこえて作家のメッセージが響く1枚だ。

正面を向いた構図からはキリストの陰影が映しだされる。
自分の肖像に他の像を重ねることでもう一人の自分を描く。それは自分の単なる変身願望ではなく、表現することそのものへの挑戦だったのかもしれない。

まだ写真や、ましてや写真加工など全くなかった時代に、複雑な心境の変化を一枚の絵に込めようとしたデューラーの想い。
500年が過ぎた今、残された作品が見るものの心境を揺さぶっていることなど作家自身予期していなかったことだろう。

ミュンヘンで出会った一人の画家は、その瞳の奥に輝く言葉を携えていた。

今から更に500年後の世界。デューラーは誰と会話しているのだろうか。




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