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1903年、パリ右岸、北西に位置する高級住宅街に世界初の個人美術館が開館した。
ギュスタブ・モロー美術館である。

作家が生きていた時には、自宅兼アトリエ、そして絵画教室としてジョルジュ・ルオー、アンリ・マティスなど名だたる作家がこの場所から育っていった。
作家の死後、遺贈された建物と内部の一切を美術館として開館することになる。

建物の3階から続く独特なデザインの螺旋階段を上がると、そこには作家の作品のほか窓際に多数のデッサンがファイルされている。
私達が館内で目にするのは所狭しと飾られた油彩の作品だが、これらデッサンの一群にも注目したい。油彩の下絵となったものからスケッチとして完成しているものまで、絵画の過程と作家の軌跡が見てとれる。

新しい歴史画と象徴主義の道を切りひらいたモローだが、その一方では美術学校の教鞭をとり、生徒達により多くのデッサンを描くよう奨励したという。絵画の理想を語る在りし日のモロー教授に出会いたかった気がする。

美術館を出たあと、ふとモローの書斎にあった本棚の蔵書や小さな彫像を思い返した。
モローの本質を解く鍵は、そんな場所にしまわれているのかもしれない。




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