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 【No.25】音の回想  2014/05/26 (Mon)
▲⭐️R0016075

20代後半に暮らしたマンション。
そこから見える隣の階下には比較的広い庭があり、そこには弓道場があった。
境には背の高い竹が繁っていて、的だけが少し見える。

休日になると、矢が的に当たる音で目を覚ますことが時折あった。
響く音ではないが、矢が放たれた際の弓の音と的に当たるパーンという微妙な音だ。

自分は何故かこの音が聴こえる休日の午前中がとても好きだった。
停滞した空気の真ん中を澄んだ透明な空気が突き進む。
その一定のリズムと和の音に続く静寂感が気にいっていた。

そんな弓道場の音もマンションを引越してから聴くことがなくなった。

雨上がりの休日、ふとあの頃の「音の回想」が湧き上がる。
そして一度手から放たれた矢は戻らない。



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