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 【No.19】王の夢  2014/04/11 (Fri)
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ドイツ南部のフュッセンという小さな町。

小高い山の上にある白亜の城から低い雲の下に望めるのは、王自身が育った蜂蜜色の小さな城だ。
その向こうにはかすかに湖面が映っている。

バイエルンという小国にあり民衆とは隔絶した山の頂きに残された城、ノイシュヴァンシュタイン城から見降ろす風景はルードヴィヒ2世が過去を見つめるためのものだったのだろうか。

城を築くことに執着しワーグナーに心酔、政治という自らの権威にも背を向けた日々。
ルードヴィヒ2世の心境は狂気といえる域に達する。

夢を見ていたのか、夢を見たまま死にたかったのか。

事実、1886年ルードヴィヒ2世はノイシュヴァンシュタイン城から見える湖に身を投じて命を絶っている。


生前、自身が死んだら城を壊すよう命じていたらしいが、奇しくも城は万人に開城され潰えた王の夢は残された城に永遠に閉じ込められることになる。


私達がそこに見るのは、悲劇の舞台だけだろうか。
そこにあるのは全てのものから守られ夢を見続けられる母胎のような気がしてならない。







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