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 【No.154】MÉTRE  2018/05/01 (Tue)
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1796年2月。時はフランス革命で混沌とした時代である。

パリ ヴォージラール通りの一角では役人と見られる紳士が、
集まった人々に声高く宣言し始めた。

「諸君、この場所に輝かしきフランスの栄光と世界共通の数学発展に寄与するため、本日メートルの標準器を設置する。」

その場に居合わせた人々は、はじめ不思議なものを見るように囲んでいたが、
しばらくすると、それぞれ標準器に手や腕をあわせては顔を見合わせた。

「これがメートルという長さなのですか」一人が声を上げた。

「そうだ、この場所のほかにパリ市内に16箇所これと同じものを設置する。
諸君はこれから、このメートルという単位を基準としてそれぞれの生活に
役立てるように。」

冷やかしながら話すひとの中には、この下に寝転んで長さを確認するものまでいた。




というのは作り話だが、たぶん似たような状況で
このメートル標準器が設置されたのではないだろうか。


普遍的な基準を作るため18世紀末にフランスでつくられたMÉTRE基準。
多くの人々はそれまで親しんだ基準を簡単に乗り換えられなかったため、
新しい基準を広めるためにパリ市内にはメートルの長さを示した原器が
設置された。


パリに現存するものは2箇所、もうひとつはヴァンドーム広場近くにあるが、
こちらは元の場所から移動されており、当時の設置場所のまま残っているのは
このヴォージラール通りに面したアーケードにあるものだけだ。



200年前に遡り、歴史の扉を開くのもわるくない。

「こいつがメートルって長さなんですか?」





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