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誰にとっても過ぎ去った若き時代というのは、気恥ずかしさが
あるような気がする。
希望に満ちた10代、そして社会と関わりをもった20代。

自分にも弱さと葛藤のなか、時間だけが経過する年月があった。



社会人になって間もない頃、お世話になった写真機材を扱った店の店主から
小さな1枚のモノクロコピーをもらった。
店主は「これはきっと役に立つから」とだけ言い、差し出してくれた。

そこには写真と簡単な文章がそえられていた。

写真は映画監督の黒澤明氏だった。
そしてこう記してある。


  みんな、
  自分が本当に好きなものを
  見つけてください
  自分にとって本当に大切なものを
  見つけるといい
  見つかったら、その大切なもののために
  努力しなさい


そのときは、良いことを言うな、
というくらいにしか感じられなかったが、
店主の心遣いに深々と頭を下げてその場を立ち去った。



そしてそんなエピソードから数十年が経った。

もう店主はいないかも知れない。
あの時、店主がどうして自分にコピーをくれたのかは
今でもわからない。
ただ小さなモノクロコピーは今も手元に残っている。



時折そのコピーを読み返しては自問する。

自分にとって本当に大切なものは見つけられたのか。
そして大切なもののために努力してきただろうか。


答えは自分の中にある。





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コメントありがとうございます

carmenc さま

若い頃というのは、今とは違う感覚を持っていました。
同じ文章を読んでも、同じ絵や写真を見ても、
その時の年齢によって感じ方が違うのだと思います。
後になって伝わるメッセージは印象深いものですね。






絵画的で詩的な写真ですね
そう言えば高校生時代にいつもフィルムをプリントに出す写真屋さんで一眼を借りた事ありますが…
きっと若い青年に何か大きな可能性を感じた上でのことでしょうね。
高校卒業時、進学前の甥っ子たちに生きる指針になってくれたらと
伝えたい言葉を贈ったことを思い出しました。

2017/11/21(Tue) |URL|sulpice [edit]
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