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 【No.9】ハウス  2014/02/08 (Sat)
▲⭐️ハウス1

「ハウス」立川にかつてあった通称・米軍ハウスをこう呼んでいた。

私には大学時代の3年半をハウスで暮らした経験がある。
見た目に古い平屋で、バス・トイレがありリビングのほかに2部屋、全てが板貼りだった。
冬は凍えるほど寒く、夏はどうしようもなく暑い。もちろんクーラーなどは無かった。それでもその十分な広さは、美大生の自分にとってはありがたかった。
ピンク色の外壁にありし日のアメリカを感じた。

私が住んでいた頃には既に基地はなくなっていたが、跡地としての広大な土地にはまだフェンスを張り巡らしていた。それは飛行場という普段の生活とはかけ離れたスケールと「フェンスの向こうのアメリカ」の証しだ。


ハウスは袋小路の区画の中に8棟、少し離れた区画にも数棟があり、自分と同じ美大生やかつて基地に勤めていたアメリカ人の姿もあった。

その頃の自分はというと大学も休みがちで、決して勤勉とはいえない毎日をおくっていた。買ったばかりのカメラで基地跡地の周辺を夢中で撮っていたのもその頃だった。


30年が過ぎた2012年のある日、私は自分が住んでいたハウスの場所に立っていた。

そこはマンションの駐車場になっていた。
もどらないはずの時間にタイムスリップする。
胸を締めつける感慨が湧きあがる。

5分くらいはその場にいただろうか。
私は・・・ゆっくりとその場をあとにした。


帰り途、暑い夏にハウスでよく聴いていたボサノヴァの曲を想い出した。



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