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雨音が響いていた

深夜25時

瞼を閉じ今日という日を思い返す

こころの絞りを開放にして

脳裏に長時間露光する

明日の朝 何かが写し出されているだろうか



翌朝 目が覚めるとその画像は真白だった

こころの絞りを開け過ぎたからだろう

次回は露出計が必要な気がした



“Stereo Block Notes” stereoscopic camera, 1904





 【No.217】鳥の眼  2019/06/23 (Sun)
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ドローンで撮られた空中からの映像は
私たちの視覚では捉えることのできない
素晴らしい画像を提供してくれる

「鳥の眼」は人としての憧れである

もし自分が空を飛べて
自らの眼でいろんな対象を見る事ができたら
それはどんなに感動的なことだろう


1783年 空気より軽い気体を大きな風船に詰め込んだ
「熱気球」で初めて有人飛行に成功した
フランスのモンゴルフィエ兄弟


彼らはその時「鳥の眼」を得たと確信したに違いない


230年以上経過した今
私たちは進化した飛ぶカメラを使い
更なる「鳥の眼」に近づけたのだろうか

残念ながらそれは「レンズの眼」を通した映像で
私たちが自由に空を飛び 見た映像ではない


あと200年後にはそれも可能になるだろうか


未来の博物館には
「200年前 まだ私たちが自由に空中を移動できなかった頃
こんな玩具を使った映像を見るしかありませんでした」
そんなドローンの展示があるかもしれない




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印刷屋
そんな言葉を聞かなくなった

昔は「○○印刷」という店が
かならず街の何処かにあって
チラシや名刺なんかを作っていた


その昔は活版印刷というのがあり
小さな活字ハンコを沢山組み合わせて
印刷を行なっていた

その後は技術も様変わりし
オフセット印刷の時代へ

そして今ではデジタル印刷が
普通の時代となった


形のある印刷から
形のない印刷の時代へ


写真も同じ運命をたどっているが
何故か形のあるものに惹かれていく

それは使い込まれた鉄の塊に
汗や魂が染み込んでいるからだろうか


時代の波に呑みこまれながら
消えゆくものたち


その煌めきは記憶のなかに生き続けている





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暮れかかる街にシャボン玉が飛ぶ
虹色の光が目の前を通過する


Un deux trois

一つめは過ぎ去った想い出

二つめはまだ見ぬ夢

三つめは・・・
声を出さずこころに想い浮かべる


それはあっという間に
何処かへ消えていった





 【No.214】記憶の糸  2019/06/02 (Sun)
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自分の記憶をどこまで辿れるだろうか
それはひとによって様々だろうが
そのとき感じた感触や瞳に映った光景は
数十年が経った今も記憶の引き出しに仕舞われている


高校時代の親友から何年かぶりに連絡をもらった

数ヵ月前に父親が亡くなったこと
自分の新しい仕事のこと
もうすぐ引越しをすること

それらは近況報告として
いろんな苦労を感じさせることばかりだった

ひととおり話終えたあと
友人から意外な誘いがあった

それはまだ何年か先のことだけど
と前置きをして
定年をむかえたら一緒にフランス料理を食べに行きたい
自分がご馳走したいというものだった

その店の名前は確かに聞き覚えのある店だった
どうしてそんなことを思い立ったのか
皆目見当もつかなかったが
友人はかなり前から考えていたらしい


「はじめて自分の就職が決まったとき、
お前にご馳走してもらったのを覚えてるか。
同じ店で今度は俺がお前の何年か後の
定年祝いにご馳走をしたいんだ。」


記憶の糸が解かれていく

数十年も前の光景が脳裏をよぎる
まだ社会人として駆け出しの頃だった

かなり背伸びをして
当時腕を振るっていたシェフのフランス料理店へ
ふたりで出かけた


そのときどんな話をしたのか
料理がどうだったのか
今となっては記憶もあいまいだが
ふたりとも満足して
互いの将来について話し込んだ気がする


そんな忘れかけていた記憶に
お礼がしたいと言ってくれた友

そのことがただ嬉しかった
気恥かしさの底に熱い何かを感じた


あの頃も同じ紫陽花の季節だった





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