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 【No.186】冬の陽  2018/11/27 (Tue)
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どの季節が好きかという問いに
あなたは何と答えるだろうか

短い春や秋に美しさを感じるのは誰しも同じだが
夏と冬の好みは人それぞれ違う気もする

冬の陽射しは短く日中動ける時間も少ないが
その長く伸びた斜光に愁いを感じる瞬間がある



少し痩せた背の高い女性が
ベンチの端に座っていた
髪はショートで灰色のコートを着ている
女優かモデルのようにも見えた
展覧会のリーフレットを見つめながら
物憂げな表情だった


数分後
待ち合わせだったのか
老紳士が声をかけてきて
女性は席をあとにした


そのベンチにはしばらく誰も座らなかったが
何故か一枚だけ女性の余韻を撮っておきたかった


冬の陽が優しく午後のひとときをつつんでいた





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夜が明けたばかりの広場

数時間前までいた学生たちの歓声が
洗い流されるように水が放たれる


研究に没頭したキュリー夫人
恋を物語りに綴ったフランソワーズ・サガン
映像の先にあるものを追いかけたジャン・リュック・ゴダール

若き日の誓いを胸に刻んだカルチェラタンは
このサン・ミッシェル広場からはじまる




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カフェで寛ぐわずかな時間
なにごともなく一日が終わろうとしている

昨日と同じ日のような気もするが
何かが違う一日でもあった


数メートルさきで恋人たちが小声で話し込んでいる
家路につくまえに交わす僅かな温もり

ここへ来る前 道端の花屋で珍しい色の薔薇を見かけた
帰り際にもう一度のぞいてみようか



珈琲を飲み終えるまでの数分

冷えた水と自分との会話

今日という一日に





 【No.183】恋  2018/11/08 (Thu)
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あなたがいたら
もうなにもいらない
そんな恋が
誰でも一度はある

胸をしめつける想いは
やがて燃えつき消えていく

実る恋
実らなかった恋

新たな種子が落ちると
空はいつの日か
優しく雨で地面に合図する

いくつかの恋が
今日も何処かで芽生えている




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