back to TOP

admin |  RSS
th_IMG_4486.jpg


「世界で一番美しい街はどこだい?」
王妃は並べられた銀器に問いかけた。

「はい、それは白雪姫の住むパリです。」


とでも言いたくなるような磨かれた銀器のディスプレイ。


いつも思ってしまうのは、こうした銀器は
その輝きを保つために美しく磨かれていることが大切だ。
それには維持してくれる使用人を雇えるひとが持つべき
品々ともいえる。


次に生まれてくるときには、果たしてこうした
銀器が自分の食卓にあるだろうか。

銀器に問いかけてみようか。




th_IMG_4780.jpg


もしあなたがパリへ行く機会があり
数時間の余裕があるのなら
Victor Hugo通りの「ボワシエ」を訪ねてみてほしい

1827年 Bélissaire Boissierによって
創業されたパティスリーメゾンである


伝統的な絵柄やテーマカラーであるシアンブルー
美しい化粧品のようなパッケージに入れられた
砂糖菓子やショコラそしてマロングラッセは
この店の歴史とともに愛され続けた逸品だ

季節に実った果実と無色透明な砂糖の結晶が
パティシエによって見事にアレンジされ
口の中で華やかなアンサンブルが響きわたる


数十グラムにこめられた甘い夢


そんなひとときの幸せも時には必要だ





th_IMG_4400.jpg


左右対称(シンメトリー)という魔力ともいえるバランスに
私たちはどれだけ翻弄されてきたのだろうか。

私たちを取り巻く自然界に左右対称のものなどあるだろうか。
一見対称的に見えるものも、正確には対称でないことが多い。

人は皆、左右対称に憧れ、そこから安定感を得ようとする。

しかし一方で不均衡であるが故に、それを修復しようとして
努力し何らかの力を発揮することもある。


5対5というバランスでなくていい。
それらが調和のとれた力で、全体のバランスがとれるなら
4対6や3対7でもいい。
ただどうしても不安と誘惑がつきまとい5対5に終着する。
そんな悩みに私たちは常に直面している。


左右対称の典型例は公共の建物だろう。
中でも宗教関連の建物は、そこに確固たる威厳や神聖な安堵感を求める
理由から殆どの建物がシンメトリーに設計されている。



美術作品でも左右対称のものを数多く見ることができるが、
意図して全てを対称にしていないことがある。


そこには「人が創るものの世界」から、
「創ることのできない自然の世界」へ到達する
入口があるような気がする。





th_IMG_4277.jpg


新聞紙の片隅に載っていた同姓同名のひと。
そこには確かに同じ名前が記されていた。

内容から直ぐに別人だとわかったが
一瞬の心の動揺がいつまでも消えなかった。


いま、何処で何をしているのか。
数十年前のあの頃が思い浮かぶ。

「あなたはいつもそう、もう少し周りを気にして歩けないの。」

よくそんなことを言われていた。

普段はジーンズ姿の彼女が、ふたりで映画を観たとき、
水色のワンピースを着ていたのを覚えている。


6月。 道端でムクゲの花が風に揺れていた。





th_IMG_3686.jpg

仏領ポリネシア
「タヒチ」と呼ばれるその島々へ
自分の求めるものと出会うため
ひとりの画家が旅立った

1891年のことである

ポール・ゴーギャン

志を共にした仲間たちとの別離
果てしない海との会話
椰子の木の間に思い浮かぶ故郷パリ
腕の中で眠るタヒチ女性の横顔
繰り返す波の音

それまでの苦悩は捨てきれたのか
これからの希望は見いだせたのか

どれほどの時間 自身と向き合ったのか
どれほどの時間 夢を浮かべただろうか


その答えが一枚の絵として残された
絵のタイトルは

「我々は何処から来たのか 我々は何者か 我々は何処へ行くのか」

画面には楽園に刻まれた刺青のように
象徴的な人物像とタイトルが記される


絵とともにこの世を去ろうとした画家
しかし画家にはその後も苦悩の道が与えられた


タヒチで描かれたゴーギャンの絵画
それは波のように
繰り返し今も私たちの胸に響く




Template by :FRAZ