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「香水はキスしてほしいところにつけるもの」
そう言ったのはガブリエル・シャネル。

この見えない装飾品に、あなたはどれだけ価値を
見いだせるだろうか。

一般的な1/2オンス (15ml)の香水で
ブランドにもよるが数万円という価格である。
決して安いとはいえない。


歴史をたどるとエジプト文明の昔から
香水は存在していたという。
用途は今とは違っていたはずだが、
古代から使われていたということが意味深い。

私たちが現在目にする、アルコールをベースにした香水は
ハンガリー王女エリザベートがはじめて作ったとされている。



香水を纏うという言葉にもあるように
それは女性が身につけるベールのようにも思える。

目に見えないベール。


紫陽花の咲く季節。
風が運んだ個性的な香りに偶然出逢えたら、
素敵かもしれない。




 【No.159】秘密  2018/05/23 (Wed)
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こころにしまい言葉にださない

そうしたほうがよいこともある

それがどうしても辛いときは

花にそっとうちあける

花はそのことを誰にも告げず

細い茎にしまいこむ

花が実をむすぶころには

風に運ばれ消えていく





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レイモン・ペイネといえばメルヘン。
その絵には愛に包まれた恋人たちが登場する。

とかく苦しい環境や不幸な出来事が絵の題材として
取り上げられやすいものだが、ペイネの絵には
それらを乗り越えた先にある「幸せ」が
軽いタッチで描かれている。

「自分たち夫妻が、ペイネの恋人たちのモデルである」
そう語ったペイネ。


1999年逝去。90歳という年月は、
彼にとって幸せなことばかりではなかったことだろう。


いつの日も悲惨なニュースを目にする度に
心を癒してくれるペイネの温かな眼差し。

それは天使のように偶然舞い降りる。




※Raymond Jean Peynet 1908年11月- 1999年1月)
フランスのイラストレーター、漫画家。




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何処へでも飛んでいける
カモメはそう思った

川沿いに続く遠い海辺
昨日いた船着場

何処へでも飛んでいける
いのちは自分のものだから


ただ忘れてはいけない

時折振り返ることを
羽が折れ飛べなくなる日のことを
休める場所など多くはないことを


あと20秒で飛び立とう
ここではない何処かへ





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deux chevaux.
かつてこれほどフランスらしい車があっただろうか。
それは1948年から42年もの間生産され続けたことこそ、
最も愛された証だろう。


第二次世界大戦、ナチス・ドイツの侵攻を受け
国土の北半分が占領地となったフランス。

開発途上だったこの車をナチスの手に渡さないため、
試作車は1台を残して破壊され、
工場の壁や地中に埋められたものもあったという。


歴史に翻弄されつつ1948年、
シトロエン2CVはパリのモーターショーで
発表されることになる。

発表当時の評価は聞くに耐えないほど悪評もあったらしいが、
70年が経った今、再評価をしていいほど印象的なデザインだ。



この車が開発された由縁は田舎の農業生活への適合だった。
開発条件のひとつで面白いのは
「おとな二人と50kgのジャガイモまたは樽を載せて走れること」
というのがある。

先日パリで懐かしいこの車にかなり大柄の老夫婦が乗っていたのを見かけた。
確かにその条件は満たしているように見えた。





 【No.155】Menu  2018/05/06 (Sun)
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それはこれから提供される料理のプロローグである


そこに記されているのは単なる品書きではない

素材のバランス、季節の共有、技の演出、
そして調理人の策略が披露される


この扉の向こう側で待ち受ける数時間の体験を
まずは想像して感じること


二皿目が頭に浮かんだら
扉に手をかける

デザートまで浮かべるのは野暮だ
誰しもフィナーレがどうなるかは考えたくない



さあ 演目はお楽しみいただけましたか





 【No.154】MÉTRE  2018/05/01 (Tue)
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1796年2月。時はフランス革命で混沌とした時代である。

パリ ヴォージラール通りの一角では役人と見られる紳士が、
集まった人々に声高く宣言し始めた。

「諸君、この場所に輝かしきフランスの栄光と世界共通の数学発展に寄与するため、本日メートルの標準器を設置する。」

その場に居合わせた人々は、はじめ不思議なものを見るように囲んでいたが、
しばらくすると、それぞれ標準器に手や腕をあわせては顔を見合わせた。

「これがメートルという長さなのですか」一人が声を上げた。

「そうだ、この場所のほかにパリ市内に16箇所これと同じものを設置する。
諸君はこれから、このメートルという単位を基準としてそれぞれの生活に
役立てるように。」

冷やかしながら話すひとの中には、この下に寝転んで長さを確認するものまでいた。




というのは作り話だが、たぶん似たような状況で
このメートル標準器が設置されたのではないだろうか。


普遍的な基準を作るため18世紀末にフランスでつくられたMÉTRE基準。
多くの人々はそれまで親しんだ基準を簡単に乗り換えられなかったため、
新しい基準を広めるためにパリ市内にはメートルの長さを示した原器が
設置された。


パリに現存するものは2箇所、もうひとつはヴァンドーム広場近くにあるが、
こちらは元の場所から移動されており、当時の設置場所のまま残っているのは
このヴォージラール通りに面したアーケードにあるものだけだ。



200年前に遡り、歴史の扉を開くのもわるくない。

「こいつがメートルって長さなんですか?」





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