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好きなひとへの想いを手紙に書いたことはあるだろうか。

大正10年10月。
「白蓮事件」と世間を騒がせた柳原白蓮の逃走。

白蓮(燁子)から恋人・宮崎龍介へあてた手紙は実に700通におよぶという。

いまでは電子メールやSNSといった通信手段が手軽に使われる時代だが、
当時の郵便事情でのこの数には驚くほかない。



「好きな好きな手紙を下さい。
見度い見度い。わたしの人。
恋しうて 淋しうて なつかしうて 悲しうて 
どうしたらよいやら」


恋は盲目という言葉があるが、
一途な燁子の想いが突き刺さる文だ。


96年前の10月、「恋」という一文字を胸にしまい出奔した燁子。

時代の流れ、過去など顧みず、自分の信じる道を
駆けていったひとりの女性の生き様と凛々しさ。


その波乱に満ちた生き方が今もこころに響く。





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木立ちをこえて池が輝いていた。


パリの南端に位置する公園では、
観光客の姿を見かけることは稀だ。

近くに学生たちが住む施設があるからか、
若者の姿をよく見かける。
近所から散歩にきている老夫婦、親子連れ、恋人たち。
周辺に住むひとたちの憩いの場所だということが
見ていて感じられる。


パリに住むということ、それはこの公園で過ごす時間が
静かに教えてくれる。


生きている喜び、悲しみ、怒り、嫉妬、歓喜。
一人ひとりが発するすべての感情を、
何種類もの花や樹木、水面に集う鳥たちが癒してくれる。
そして求める幸せが何処にあるのかを問いただす。



1865年に開園したこの公園はかつて石切り場だった。
パリにある石造りの建物たちが産まれた場所。



ここには母親のような優しさを感じさせる何かが眠っている。





 【No.124】Cavatina  2017/10/21 (Sat)
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心がつながるひとと
時には手をとり
橋を渡ろう


イヤホンをふたり
片耳づつ手をそえて
Cavatinaを聴けば


忘れかけた冬の温もりが
ギターの響きと共に
重ねた手から伝わる




※Cavatina
イギリスの作曲家スタンリー・マイヤーズによる曲。
映画「ディア・ハンター」(1979年)のテーマ曲としても知られる。




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金木犀の小さな妖精たちが放つ芳香。

その数秒の出来事が一年に一度、自分を導く。



姿や形が見えない花の香り。

調香師、ソムリエ。音楽家。
見えないものを追いかける人たちがいる。


あるフランス人の調香師はこう言っている。
インスピレーションは心をオープンにして、いろんなことに関心を持つこと。
調香は芸術でもあり、言語や概念にはすべて還元しきれない。


見えないものの捉え方。
それは永遠のテーマだ。


写真機が進化した今日、私たちに求められる共通の鍵が
そこにあるような気がする。





 【No.122】Serenade  2017/10/09 (Mon)
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風が水面を誘い

波紋が揺れて

光がプリズムを描く


Schubert "Serenade"


その甘美な世界に

たどり着けない何かを感じる


それは白鳥が舞う
死と隣りあわせの歌だからだろうか





 【No.121】折り紙  2017/10/01 (Sun)
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海外へ旅行した際、親しくなったひとへ折り紙を
渡したことはないだろうか。

自分も過去に鶴の折り紙を上げたことがある。

そのへんにあった紙きれで簡単に折られた鶴。
果たしてこんなものでと思ったものだが、
鳥の造形に変化した小さな紙きれを嬉しそうに
手にとってくれた。


丁寧に折られ温もりを感じる紙の鶴。

見返りを求めない愛とでもいえるのか、
負担にならずさりげないのがいい。


あまり出しゃばらず控えめな優しさ。

数字に置きかえると1ではなく0から1までの間。

その間に美しさがあるような気がする。




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