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 【No.82】鳩の家  2016/10/23 (Sun)
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その家はパリ20区、Porte de Montreuil駅にほど近い公園の入口に佇んでいる。
それは決して小さいとは言えない「鳩の家」だ。
しっかりとした作りの箱で、太い一本の柱がこの家を支えている。


幼い頃、自宅で小鳥を飼っていた。
鳥籠の中にシュロで出来た巣を入れていた事を思い出す。
鳥には家が必要なのだ。


さて鳩の家はいつ頃からあったのだろうか。
作りからしてそれほど古いものではないが、そうでないとすれば、作り替えられたものかもしれない。
いずれにしても鳩たちにとって安住の家であることにかわりはない。

ここにも世代交代や争いや家族の温もりがあるのだろうか。
家の中のことは鳩たちにしかわからない。


まだ早い朝のひととき、鳩の家から一羽が飛びたった。
ほかの数羽は全く無関心にくつろいでいる。

外出するものと身動きせず身体を休めるもの。
一見ばらばらに見える鳩たちだが、
日曜日には一緒に教会へ行くのだろうか。





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商店街で育った自分には本屋という存在が身近かだった。
家の隣りが本屋だったからだ。暇さえあれば本屋へ行くという日常で、
幼い頃から自分は相当な時間を本屋で費やした。


インターネットなど無かった時代、本屋で過ごす時間は
夢中になれる時間だった。
立ち読みで文章を読むことはあまり無かったが、
写真や図録を次から次へと見ることは、今にして思うと
いろんなWEBページを見ていくのに近かった気がする。

動物や昆虫、乗り物など好きなものは大体決まっていたが、
気にいった図録があると、同じ本を何度も見ていた。
今では写真に関連した書籍をのぞくことが多い。


パリに行くとよく行く老舗の写真集専門店がある。
ここへ行くと何冊かまとめて買ってしまうので、
毎度、重い荷物を後悔してしまうはめに陥る。


パリで本屋の隣りにあるホテルを探してみようか。





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19世紀末、時代は鉄やガラスの資材が建築家たちを刺激し、ひとつの様式が創り上げられた。

「アール・ヌーヴォー」の旗手、エクトール・ギマールが残した数々の作品。
現存するものは残り少ないが、パリの地下鉄入口にある鉄製のアーチに誰もが一度は目を留めた記憶があるはずだ。


パリ16区にある6階建てのアパートメント「カステル・ベランジェ」はギマール28歳の代表作で、パリ初のアール・ヌーヴォー建築として今もその姿を残している。自然回帰ともいえるその佇まいは、安堵感と共に恐さも併せ持っている。


同じ地区にギマールのアトリエ兼自宅として建てられたHotel Guimardがある。
こちらは石に刻まれた曲線に鉄の植物がアクセントとなり、控えめな装飾に好感がもてる。

その住み心地などは知る由もないが、パリを森に例えて、大きなツリーハウスのようなイメージを想像してしまうのは自分だけだろうか。


この場所でギマール自身がアール・ヌーヴォーにどれほどの夢をみて創作していたのかと考えると感慨深いものがある。





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