back to TOP

admin |  RSS
img339-2.jpg

温かな陽射しを背にして着飾った人達が前を通り過ぎる。
その日は音楽祭の日だった。


モーツァルトの誕生、サウンド・オブ・ミュージックの舞台、そして音楽祭。
数多くの音楽にまつわる物語がこの地で生まれた。

岩山を背にしたこの街に、どうして音楽という文化がこれほどまで浸透したのか。
それは偶然というだけだろうか。

この地で「音」は山という共鳴板を背にして
美しいサウンドを奏でる。

光の屈折、透明感のある背景の写り込み。
映像もまたファインダーへクリアに導かれる。


この街が奏でる美しさは歴史とこの地に携わった人々の賜物かもしれない。


丸くかたどられたモーツァルトのチョコレート。
在りし日のカラヤンも買って帰っただろうか。


今年もまた遠いザルツブルクに
音楽祭の夏が来る。




 【No.73】Melody   2016/05/13 (Fri)
R0013938-2.jpg

1971年に公開された映画《小さな恋のメロディ》。
45年の年月が過ぎた今も、映像と音楽は
記憶の何処かにしまわれている。


風がそよぐようなビージーズの曲「Melody Fair」。
そして主人公を演じるトレーシー・ハイドが
ガラス瓶を手に街を歩くシーンが印象的だ。

手にしている金魚は一度ガラス瓶から放たれて、わずかな時間水場で泳ぎまわる。
そしてまたしばらくすると、もとの瓶にもどされる。

慎ましい生活の中、夢をいだく少女と金魚がリンクする。


映画のなかで語られるセリフがいい。
「行くあてはないけど、ここにはいたくない。」

イギリスらしい何かそこにROCKを感じる言葉に惹きつけられる。


自分自身を解き放つ月。
5月はそんな月かもしれない。




R0013625-2.jpg

新緑の清々しい季節に、聴きたくなる一曲がある。
サイモン&ガーファンクルの「Scarborough Fair」。


Parsley, sage, rosemary and thyme


繰り返されるこのフレーズに不思議な魅力を感じる。
古くはスコットランド民謡だったこの曲はハーブのもつ象徴的な意味が
魔除けの言葉として深く根ざしていると言われている。

1967年 映画「卒業」でダスティン・ホフマンが演じた物憂げな表情も懐かしい。


北のブライトンと呼ばれる海岸沿いの地。
イギリス ノース・ヨークシャー州 スカーバラ。

恋人が住んでいると歌われたスカーバラへ。
まだ見ぬ街でのティータイムはハーブティーがいいかもしれない。


 【No.71】北の桜  2016/05/01 (Sun)
P42403672.jpg

もうすぐ五月になろうとする季節に帰郷したのは、ずいぶんと久しい。

幼い頃、よく自転車で走り回った川岸へ向かった。
懐かしい桜をどうしても見たかったからだ。


まわりの風景は随分と様変わりしたが、桜はそのままだった。

ごくありふれた浄水場に面した
人の集まることもない目立たない場所。
ただそこに桜が生きているという風情だ。

それが美しかった。


人の生き様のようでもあり
年に一度の微笑みのようでもあり。

それが愛しかった。


午後の陽ざしを浴びて
北の桜は遅い春を告げる。





Template by :FRAZ