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観光客姿を見ることのないブダペストの街はずれ。
見知らぬ国での緊張感。
「人民競技場」と名付けられたひと気のない地下鉄駅。

1週間ほど滞在した場所はホテルではなく賃貸ルームで、大きな通りに面した角地の2階だった。

地下鉄の駅からは幾分離れていて、地図を捜しながらたどり着いた時にはぐったりした記憶がある。部屋はそれなりに整っていたが初日からトイレの水洗の具合が悪く、それは自分で直す必要があった。

今思い返すと、それまでの長旅でホテル住まいが続いていたせいか、少し古びたその部屋が妙に落ち着けた気がする。
そこを起点に何日か地方へ行き、もどって来たときには安堵感があった。

深夜、部屋の窓から静まりかえった車道にLEICA M5を向けて、スローシャッターをきる。

モノクロームの光が交差する静かな夜だった。

もうこの場所に来ることはないかもしれない。
ただ此処でいま感じられる空気と、静かに刻まれる時間を忘れたくないと思った。



「Népstadion ネープスタディオン」
地下鉄内でそうコールされると、あの部屋がある街に着く。



※2004年この駅名は「stadionk」に改名された。






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