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パリ左岸、サンジェルマン・デ・プレ教会の北側に「フュールステンベルク広場」という小さな広場がある。

中心には街灯と大きな樹木があり、円形のロータリーになっている。さりげない看板のドラクロア美術館、インテリアショップ、アンティークショップなど派手さはないが品の良いウインドーが並ぶ。

パリに来ると必ずと言ってよいほど、まずこの場所に来たくなる。静けさの中に洗練された佇まいと左岸特有の知的な空気感が感じられる場所だからだろうか。

特にこの広場の朝は、映画のファーストシーンに登場するような無音の趣きがある。
パリに滞在している際に何度か続けて朝この広場へ行っていたので、毎朝犬の散歩をしている近くの住人に顔を覚えられたこともあった。

この広場では2015年を迎える朝も静かに時間が過ぎていくことだろう。



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このカメラは永く病いに取りつかれたように欲しかったカメラだ。何と言っても、その伝説的な38mmビオゴンの魅力そのものに参っていた。

もう何年も前だが、それまでよく利用していた米国のwebで、安くて程度の良いものを買うことが出来た。

レンズの描写なら現行のものが光学的に優れているのは明らかだが、このカメラに関しては、あえてシルバー胴鏡の古いタイプが欲しかった。
カメラと永く付き合うには、多少の難があっても愛すべきフィーリングが必要である。
逆光には多少弱いようだが、実際の撮影では想像以上の繊細な描写をしてくれる。

ファインダーは日本製の見やすいものを利用している。
絞って撮る事が大半なので三脚は必需品だが、手間をかけて撮影したあとの結果は裏切られた事がない。

SWCMでなければ表現出来ないものを探し求めること。
それこそがこのカメラと付き合う魅力ともいえる。

いつか北欧の海岸線をSWCMで撮りたいとぼんやりと考えている。



 【No.46】雪  2014/12/20 (Sat)
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中学のころだったか、雪を見上げて美しいと感じた。

東北で育った自分には冬場になるとそれは当たり前の存在だったのだが、ある日の雪は特別な感情が湧きあがった。

静まりかえった冬の夜、友人宅からの帰り道、ふと立ち止まり街灯を見上げた。
それは羽のように輝く逆光に照らされた無数の雪だった。
吸い込まれそうな暗闇の奥から絶え間なく雪が降りそそぐ。
下降線を追いかけても雪は次から次へと放出され、ただ見惚れるしかなかった。

本当に美しいものに対面したとき、そこには怖さも伴う。
ひととき身動き出来ずにいた自分は、そのあと足早に家路についた記憶がある。




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