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アート・ファーマー 1977年のアルバム。
「The Summer Knows」

学生時代に中古レコード店で買ったこのアルバムが気に入って、
くり返し何度も聴いていた。
ジャケットの帽子写真が、古いフランス映画の一場面のようで、
それも好きな理由のひとつだった。


もっと大人になったら、こんな帽子が似合う女性と恋愛ができるだろうか。
恥ずかしいが、その頃はそんなことも考えていた。


いろんな夢を抱いていた気がする。

そしていくつかの夢は叶い、いくつかの夢はまだ叶っていない。


おもいでの夏。
それは「夢の続き」なのかもしれない。





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温かな陽射しを背にして着飾った人達が前を通り過ぎる。
その日は音楽祭の日だった。


モーツァルトの誕生、サウンド・オブ・ミュージックの舞台、そして音楽祭。
数多くの音楽にまつわる物語がこの地で生まれた。

岩山を背にしたこの街に、どうして音楽という文化がこれほどまで浸透したのか。
それは偶然というだけだろうか。

この地で「音」は山という共鳴板を背にして
美しいサウンドを奏でる。

光の屈折、透明感のある背景の写り込み。
映像もまたファインダーへクリアに導かれる。


この街が奏でる美しさは歴史とこの地に携わった人々の賜物かもしれない。


丸くかたどられたモーツァルトのチョコレート。
在りし日のカラヤンも買って帰っただろうか。


今年もまた遠いザルツブルクに
音楽祭の夏が来る。




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新緑の清々しい季節に、聴きたくなる一曲がある。
サイモン&ガーファンクルの「Scarborough Fair」。


Parsley, sage, rosemary and thyme


繰り返されるこのフレーズに不思議な魅力を感じる。
古くはスコットランド民謡だったこの曲はハーブのもつ象徴的な意味が
魔除けの言葉として深く根ざしていると言われている。

1967年 映画「卒業」でダスティン・ホフマンが演じた物憂げな表情も懐かしい。


北のブライトンと呼ばれる海岸沿いの地。
イギリス ノース・ヨークシャー州 スカーバラ。

恋人が住んでいると歌われたスカーバラへ。
まだ見ぬ街でのティータイムはハーブティーがいいかもしれない。


 【No.56】Holidays  2015/04/05 (Sun)
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1972年、あさま山荘事件がテレビで流れ続けた年。
政局では田中内閣が発足し、今思えばそれは何か日本の大きな波の年だったのかもしれない。

ラジオからはミッシェル・ポルナレフの「愛の休日」が繰り返し流れていた。
カーリーヘアに白いサングラス、フランス人歌手。
昭和の揺れる空に、飛行機雲のように美しい高音の声が駆け抜ける。

そのころまだ自分は幼かったが、政治や文化の色めき立つ強い風に怖さを感じたのと同時に、人をひきつける何かも感じていた。


「愛の休日」の歌詞はこんなメッセージで終わる。


ホリデイ、おおホリデイ
これは空に住んでいる飛行機さ
だが忘れないで、とてもきれいな君
飛行機は壊れるものなんだ
そして地面は下にある
ホリデイ         ※「愛の休日」より


2015年にあらためてこの曲を聴くと、ベトナム戦争などがあった当時の背景とは時間軸こそ違うが、便利さに慣れすぎた今を遠くから見つめられている気がした。




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アコースティックギターを一度手にしたことのある人なら「マーティン」というメーカーを知っているかと思う。

故郷ドイツから海を渡ったマーティン一家が新天地アメリカ・ニューヨークへ渡り小さな楽器店をひらく。1833年の9月だ。
180年という年月のなかマーティンというブランドは形のある楽器と形のない音に魂を与え続けてきた。幾多の音楽家がそのブランドに魅了されてきたのは言うまでもない。

30代後半になったある日、ふと思い立ってお茶の水の楽器店へ行き、マーティンの音色を聴いてしまった。この聴いてしまったのが後戻り出来ない結果となる。

マーティンにもいろんなモデルがありそれぞれ音色が違うのだが、その日たまたま出会った中高音が美しい小ぶりなモデルに一目惚れしてしまった。どうしても想いが断ち切れず、結局我が家へ連れて帰ることになる。

MARTIN OO-16 DBR WOMEN AND MUSIC MODELという1998年のリミテッドエディションで、サウンドホールには寄せ木細工が施されている。ローズウッドから共鳴する透明感のある美しい高音が伸びやかに響くギターだ。

楽器はそのモデルや価格帯によって明らかに音色が違うが、同じモデルでもその個体によって鳴りや響き方に大差がある。だからこそ一台の楽器との出会いが運命的なのだと思う。

音を出していない年月が大分経っているのでギターには申し訳ない気持ちでいっぱいだが、また調整をして2014年の空気に音を解き放ってみたい気がしている。



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ジョン・コルトレーンの「SOULTRANE」というアルバムの5曲目に入っている曲が「Russian Lullaby(ロシアの子守唄)」だ。


この曲を学生時代に初めて聞いた時、大陸を駆け抜ける長距離列車の姿を思い浮かべた。気にいって何度も繰り返し聴いていた記憶がある。

大平原を、森を駆け抜けるコルトレーンのテナーサックス。
まだ見ぬ土地の果てしない風景が脳裏をかすめた。
もちろんそのほかのスローバラードやレッド・ガーランドが弾くピアノメロディも十分に魅力的で印象に残る。あえて言うなら5曲の中でこの曲だけが異色だが、自分にはこの曲が入っていることがこのアルバムの魅力だった。

今になって改めて聴くと、その頃の自分が投影されて懐かしい。


ジョン・コルトレーン(ts)、レッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds)。1958年6月録音。




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