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それはいつだったろうか

長いソバージュの髪形をして
紺色の服がよく似合っていた

興味のある記事を
本屋で長い時間読んでいた

気に入りの髪どめをして
ときには映画にも行った

側にいるだけで心が和んだ


きみがいない時間は途方もないが
いまは自然を受け入れようと思う
吹く風を待とうと思う

風を吹かせることは出来ないけれど
どんなときに風が吹くかは学んだ気がする


ときおり想いかえす
きみにであったころ




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狩人が昨年仕留めた獲物は決して多くは無かった

今年は周りの人に自慢出来るよう多くの獲物を捕らえよう

新しき年にふと心をよぎった


だが狩人は直ぐに希望を打ち消した

自分の狩に自慢など必要ない

天から与えられた命あるものを狩る

必要に足る獲物をわずかに分け与えてもらう

狩猟とはそういうものだ

そしてそういう生き方を今年もしよう


狩人は天を仰ぎこころに誓った





 【No.190】love ¨  2018/12/27 (Thu)
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True love begins when nothing is looked for in return.
ー Antoine Marie Jean-Baptiste Roger de Saint-Exupéry ー

ここにも素敵な一年が訪れますように





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Square Bolivar.


坂の石畳に靴音が響く。

何処か遠くから話し声が聞こえる。

しばらくたつと、また静けさがもどる。

パリの深夜は、こんな時間が繰り返される。


エリック・サティのジムノペディを聴く。

3/4拍子に包まれて、長い夜に浸る。




※「ジムノペディ」が作られたのは1888年。
翌年にはパリに話題のモニュメント、エッフェル塔が登場している。
世紀末にむけて、多くの作家が新しい表現を求め錯綜していた。







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夫婦の会話というのは
いつの日もぎこちない

恋愛の駆け引きや
探り合いも消えて

そこにあるのは緊張感のない間と
ぼんやりとした安心感だ

まして長い年月を過ぎると
相手がもうひとりの自分にも見える



柔らかな日差しのなか
出会った頃に戻り話しかけてみる

そこには気づかなかった
もうひとりの相手がいるかもしれない





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パリの南、アルレ広場にほど近い場所。
この一帯にも再開発の波がゆっくりと近づいている。

やがて目の前にある建物も姿を消す日がくるだろう。
建て替えられる建物と広がる空き地。

その狭間で100年以上前に建てられた建物が、
わずかな息遣いを潜めて佇んでいる。



イアホンからFly Me to the Moonが流れる。

遠い日本で、あなたはもう疲れて眠っているかもしれない。
かすかな寝息をたて、どんな夢をみているのか。


風が口笛を吹きながら、街を走りぬけていく。





 【No.186】冬の陽  2018/11/27 (Tue)
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どの季節が好きかという問いに
あなたは何と答えるだろうか

短い春や秋に美しさを感じるのは誰しも同じだが
夏と冬の好みは人それぞれ違う気もする

冬の陽射しは短く日中動ける時間も少ないが
その長く伸びた斜光に愁いを感じる瞬間がある



少し痩せた背の高い女性が
ベンチの端に座っていた
髪はショートで灰色のコートを着ている
女優かモデルのようにも見えた
展覧会のリーフレットを見つめながら
物憂げな表情だった


数分後
待ち合わせだったのか
老紳士が声をかけてきて
女性は席をあとにした


そのベンチにはしばらく誰も座らなかったが
何故か一枚だけ女性の余韻を撮っておきたかった


冬の陽が優しく午後のひとときをつつんでいた





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夜が明けたばかりの広場

数時間前までいた学生たちの歓声が
洗い流されるように水が放たれる


研究に没頭したキュリー夫人
恋を物語りに綴ったフランソワーズ・サガン
映像の先にあるものを追いかけたジャン・リュック・ゴダール

若き日の誓いを胸に刻んだカルチェラタンは
このサン・ミッシェル広場からはじまる




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いつか自分が撮っている被写体になれたら
こちらではなくあちら側だったらとふと想う

カメラをおいて街を歩く
そんな時間が必要かもしれない


ときには自分のペースではなく
愛犬を連れて歩くのもいい

自分の行きたい方向と愛犬の行きたい方向
その違いがまた楽しいはずだ


昨日読んだ本
今朝食べたクロワッサン
指先が記憶しているパスワード
すべてを一度リセットする


日常から遠く離れて





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その劇場はLa Chapelle駅からほど近い場所にあった。


「それにしても古い劇場ね」

「ナポレオン3世の時代にできたらしいよ。
パリにはもっと歴史が古い劇場があるけど、
現代風に綺麗に改修されてるからね。
それに比べてここは廃墟一歩手前の感じがする」

「何か演奏を聴きにきたというより、劇場を見にきた感じね。
タイムスリップでもした気分。
随分街の中心からも離れてるし、
こんなふうに残されているのが嘘みたい」

「注目されずに放置されたまま時だけが過ぎたんだ。
歴史の標本みたいな劇場かもしれない。
-もうすぐ開演だよ、携帯はオフにした?」

「気分はオフだけど・・・」


こうして独自の雰囲気に包まれた会場で、
ほどなくベートーヴェンの三重奏が始まった。




Théâtre des Bouffes du Nord (ブッフ・ド・ノール座)
1876年パリ10区に建てられた劇場。経営不振から1952年に閉鎖。
1974年にはPeter BrookとMicheline Rozan指導のもとに生まれ変わるが、
資金難のため内外装はいっさい改装されなかった。
2010年には、Olivier ManteiとOlivier Poubelleが引き継ぎ、現在に至る。




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