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 【No.241】朝陽  2020/02/10 (Mon)
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朝陽が音もなく

生きとし生けるものへ

安らかな温もりを届ける


それは今生まれたものや

年老いて風化するもの

全てに優しく降りそそぐ


俯いていた足元のクローバーが

陽に向かって微笑みはじめる






FET ILYA


Bonjour Monsieur


あなたがいた頃のパリとは
随分と街も変わりました。
たぶん今のパリを見たら、
そのきれいに様変わりした風景に
驚かれると思います。


あなたが作品に描かれた広告ポスターが集まった壁面も、
今では殆どその姿を見なくなりました。
パリらしさが少なくなるというのはとても残念です。


先日、小雨のマレ地区を歩いていた際に
懐かしいポスターの壁面を見つけました。

ふとあなたのことが思い浮かび、
写真を撮りました。

ポスターもあなたが描いた頃とは変わっていることでしょう。
ただどんな時代であっても広告は時代の鏡のような、
そんな気がします。

あなたの描いた広告の文字が、絵柄が、見て描いた時代の温度が
絵を通して今も語りかけてくれます。
移り変わるもの、消え去るもの、それら全ては
ひとの姿やこころと同じなのだということかもしれません。


作家人生の大半をパリで過ごしたあなたが、
たとえ短くともその燃える魂をパリに捧げたことを、
100年後に生きている私は誇らしく想っています。




※ 佐伯祐三、画家。
1928年、30歳にしてパリでこの世を去る。





 【No.239】Smile  2020/01/14 (Tue)
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毛糸で編んだマフラーを首に巻き
普段は見ない本屋のコーナーで時間をつぶす

新しい年の休日は
習慣にも僅かな変化をもたらしてくれる


午後3時 花屋前での待ち合わせ

イヤホンからナット・キング・コールの
「Smile」が流れる

今の自分は疲れた顔をしていないだろうか
花に向かって微笑んでみた





 【No.238】冬の華  2020/01/05 (Sun)
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年の若かった頃は
「花の写真」というものに抵抗があった。
大御所と呼ばれる写真家がクローズアップの
花の写真を発表するのを見る度に、
またかと思っていた。

自分が若いとは言えない年代になると
その理由がわかる気もしてきた。

花には刺激がない。
若い頃は花よりもっと刺激的なものに
目が行くのは当然のことだろう。
じっと花を凝視することなど
その頃には考えも及ばなかった。


花の写真で一番印象に残っているのは
R・メープルソープの作品だろうか。
花と光を描いた官能的ともいえる彼の作品は
長い時間、残像が頭から離れなかった。


冬のパリで出会ったシクラメン。

冬ならではの
そこに静かな「華」を感じた。




 【No.237】sign  2019/12/17 (Tue)
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兆候というサインに

自然の変異を感じとる動物たち

そこには私たちが失った

本能的な能力がある



セーヌに揺れる光

それは環境のバランスを見失うものたちへ

静かに告げられた

何者かのサインのようにも見える





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冬の空を見上げると

そこには裸になった木々たち


太陽に向かい葉を開き

育んだ様子が枝から伺える


ふと自分を振りかえると

自分にも生きた痕跡があるだろうか

長く生きた痕跡 何かを成し遂げた痕跡

答えは見つからない


時が経てばここへも春がくる

旅することができない木々たちには

新緑という愛が待っている




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遠い国から来たきみに

何を伝えてあげれただろうか

過ぎゆくきみに風が寄り添う


ふたたび会える日はくるだろうか

遥か空の向うから

ポンヌフに新たな風が舞い降りる






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きみには見えるだろうか
ボーヴォワールの面影が

きみには聴こえるだろうか
左岸を彷徨う異邦人の唄が

きみには届くだろうか
熱いショコラショーの香りが


この場所を目指し

この場所へ還る


サンジェルマン・デ・プレ

悠久の時と夢の狭間で





 【No.225】Bonsoir  2019/08/26 (Mon)
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どんな日にも「暮れる」ときが訪れる

たとえ雨が降っていようと

どれほどの風が吹いていようと


そして私たちにも「暮れる」ときが訪れる

多くの富に恵まれていようと

あるいはその日暮らしをしていようと



空のカンバスにグラデーションがかかる頃

左岸の夕暮れに語りかける

今日という一日に感謝をこめて




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きみの微かな寝息が

家族の幸せを育んでいる

安らかな寝顔の中に

きみの夢が映しだされる

きみは家族に生かされ

家族はきみに生かされている


自分でも不思議なことだが

子守唄を覚えたいと思った

まだ言葉を発しない きみのために





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