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百貨店とは何か
それは小さな夢を集めて売る場所

気に入ったものに囲まれた生活を想像させ
人々を現実から夢の世界へと誘う

1852年 パリ セーブル通り24番地に
ヨーロッパで初の百貨店が誕生した
「ル・ボン・マルシェ」である


それまで沢山の店を渡り歩き
買い物をしていた人々にとって
この博覧会のような場所で買い物することは
こころを躍らされたに違いない

当初は大衆相手の販売が目的であったが
時代の流れは高級ブランド品をも
取りこんでいくようになる


167年が経過した今も
その店は敷地や外装こそ変われど
途絶えることなく私たちに夢を売り続けている

「感動と驚きに満ちた特別な場所でありたい 」

そう告知されているル・ボン・マルシェの願い


セーブル通り24番地
それは夢を買いに訪れるべき
価値ある場所かもしれない



※1984年、LVMHグループが百貨店を買収。
1989年、店名はAu Bon Marché から Le Bon Marché に改名されている。






 【No.205】Together  2019/04/14 (Sun)
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いっしょに行こう
そう言われて
いっしょには行かなかった

あのとき手をつなぎ
いっしょに歩き始めていたら
いまとは違う自分がいた


旅にはいくつかの
分かれ道がある

振りかえらずに歩いた年月


ふと立ち止まると
あの頃見た風景が蘇る


海から吹く風が
今は恋しい





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駅から少し歩いた住宅街に
そのカフェはある


ガラスに囲まれた店内には
いつもレコードのBGMが流れ
カウンターには小さなガラスの器に
小花が飾られている

曲は女性店主の好みなのか
ユーミンや山下達郎が多い

静かな空間で珈琲も美味しい




あるとき店主にレコードについて
尋ねてみた

レコードを繰り返しかけるのって
大変ではないですか?

店主はさらりとスマートにこう応えた


レコードの音って疲れないんですよね


女性店主からは
無理をしない
何か自然体の美しさが感じられた


疲れない音
自分にはその意味が
少しわかるような気がした


道端でクローバーが
微笑むように揺れていた





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モンパルナスにある彫刻家が残したアトリエ
それは39年の間 作家夫妻の住まいでもあった
いまは美術館として公開されている

オシップ・ザッキン

1967年 77歳でその幕を閉じた
ロシア出身の彫刻家だ


彼がパリで結婚したのは30歳のとき
近くに住むアルジェリア出身の女性画家との
出会いだった

その際 ふたりの証人になったのは
共にエコール・ド・パリの道を歩み
親交の深かった画家 藤田嗣治である


春 彼の庭には
友を懐しむかのように
桜が咲く

作品が手を掲げる先
仄かな色づきが哀愁を誘って





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1656年から1659年にかけて現在のパリ マレ地区に
ひとつの建物が建てられた。

Hôtel Salé(オテル・サレ)。
塩の館と呼ばれるその建物はいまピカソ美術館として
公開されている。

展示室の最上階にある窓から外の景色を見つめると、
そこにはこの建物が建てられた当時の空気感が感じられる。

外の景色といっても
1659年当時の景色がここから見えるはずもないが、
この窓から射し込む光と、外に見える街の空気感は
360年前の何かを伝えてくれる気がした。

その時代とリンクするのは
パリから北東へ470kmに位置するデルフトで
絵画を描いていた画家フェルメールだ。

ヨハネス・フェルメールが生きたとされるのは
1632年から1675年。
まさにこの建物が建てられた時代に
数少ないフェルメール絵画が制作されている。

同じヨーロッパであっても場所が違う、
偶然同時代に存在しただけだ。
という見方もあるだろう。


ただ自分には
この窓から射し込む光が不思議と
フェルメールの描いた光と共通した何かを
感じずにはいられなかった。


もしこの場所でフェルメールが絵を描いていたら、
また違う作品が生まれていたかもしれない。
そんなありえない想像も浮かんだ。





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これから何処へ行くの


淡い恋の終わりは
束の間の夢から現実へと連れもどす



橋から見つめる3月のセーヌ
誰もが穏やかな風を感じていた






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フランスで発明され広まった「写真」を固定する技術

カメラは自分が生まれる前からあったが
自分がこの道具に出会ってからも
数十年という月日が経った

思い返すとその間に何台ものカメラと出会い
それぞれに違う想いが残っている

一時期はカメラそのものへの
所有欲にとらわれて入手し
実際にはあまり使わなかったカメラもある


フィルムからデジタルへ移行したことで
カメラも余儀なく変わることになった



ただ不思議なもので
残された写真を見るとその時どんなカメラや
レンズで撮ったのか情景がうかぶのは
フィルムカメラで撮影したものばかりだ

デジタルの便利さは言うまでもないが
一枚の重さを感じるのは
フィルム写真かもしれない


残されたフィルムカメラは未だ手元にあり
いつの日か使われることを夢に見て
眠り続けている




※このブログもNo.200となり
ふと身近なカメラについて記してみました
デジタルは進化の一途をたどっていますが
これから先どんなカメラが登場するのでしょうか
記録や表現の道具として使われるカメラ
例えどんな進化したものが現れても
そこに求められるのは私たちそれぞれの
感性なのかもしれません



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パリに滞在する際は
この近くのホテルを定宿にしていることもあり
自分にとって最も馴染みのある教会が
サン・シュルピス教会だ

完成されたのは1745年だが
災害や戦争で何度か大きな修復を経ている

ふたつの大きな塔がシンボルとなり
遠方からもその位置がよく確認できる
大きさではパリでノートルダム大聖堂に続き
二番目に大きな教会だ


今更ながらこのブログを始める際に
ふと思いついたのがこの教会名で
そこからAuthor名をいただいた

もう何年も前の話だが
パリでタクシーを利用した際に
何度言ってもこの「サン・シュルピス」という
名前が通じなかった
発音では「サン・スルピス」という発音に近く
単語ひとつで言語の難しさを知らされた経験がある


滞在中は何度もこの建物の前を通るので
あらためて撮影することは少なかったが
先日の滞在で夕暮れ時が印象的だったのを撮影した


3月 日曜の午前
ホテルに差し込む光に教会の鐘の音が響く





 【No.198】君の義務  2019/02/27 (Wed)
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アメデオ・モディリアーニは語った。

「君の義務は自分自身を犠牲にしてしまうことなどではない。
君の本当の義務は君の夢を守ることなのだ。」


どれほどのひとが、夢に希望を抱いているだろうか。
どれほどのひとが、自身の夢に向き合えているだろうか。
それは年齢とともに薄まってはいないか。

どんな些細なことでもいい。
ひとに話すのをためらうような夢でもいい。
もう先が見えていると感じるときでもいい。


夢を守りたい。





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1970年
フランシス・レイのテーマ曲とともに
ライアン・オニールとアリ・マッグローが
出演した映画「ある愛の詩」


雪原で肩を寄せ合い歩くふたりの姿と
アリ・マッグロー演じるジェニーが
被っていた赤い帽子が印象的だった


Love means never having to say you're sorry.
愛とは決して後悔しないこと

という名台詞が語り継がれる



後悔しない愛
誰もがそう心に誓いながら
人は弱さを抱え生きている

この映画と同年
ビートルズが解散をした

何かを「失うこと」で
自分を見つめ直す時代だったのかもしれない





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勝つこともあれば負けることもあるのがスポーツ

どちらになっても自分を持っていられるように
やりたいスケートを常に表現し続けられたら


千分の1秒を争うスピードスケート
連勝が途絶えた後
そうコメントした女性アスリート


その清々しさと
表現するひととしての美しさに感動した

彼女のスケートには誰にもまして
「心の美と誇り」がある気がしてならない





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あなたのおもうようにしましょう

みじかいいのちをいきるのだから

あなたのぬくもりをわすれぬよう

ふゆのあさにくちづけをして




 【No.194】Au printemps  2019/02/01 (Fri)
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こころにあいた小さな隙間を

夢中で埋めようとしていた頃

あの日あの頃の自分

風が春に向かって通りすぎた






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1月が過ぎていく
12分の1が心の中でカウントされる

これからどんな光景が待っているのか
未だ見ぬものとの出会いはあるだろうか


先日 SNSで紹介されていた動画で
木星の周りを回る衛星の名前を知った

IO(イオ)、EUROPA(エウロパ)、GANYMEDE(ガニメデ)
というギリシャ神話の登場人物から命名された3つの衛星だ
何とも素敵な名前である

衛星が発見された年をきいて驚いた
1610年1月
ガレリオ・ガリレイによって発見されている

日本では豊臣から徳川へと世が移ろうとしていた時代
中世のイタリアではガレリオが星と格闘していたのだ


400年以上前の同じ1月
果たしてガレリオには
どんな宇宙が見えていたのだろうか

木星の第1衛星 IOは
今日もゆっくりとその軌道を描いている





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それはいつだったろうか

長いソバージュの髪形をして
紺色の服がよく似合っていた

興味のある記事を
本屋で長い時間読んでいた

気に入りの髪どめをして
ときには映画にも行った

側にいるだけで心が和んだ


きみがいない時間は途方もないが
いまは自然を受け入れようと思う
吹く風を待とうと思う

風を吹かせることは出来ないけれど
どんなときに風が吹くかは学んだ気がする


ときおり想いかえす
きみにであったころ




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狩人が昨年仕留めた獲物は決して多くは無かった

今年は周りの人に自慢出来るよう多くの獲物を捕らえよう

新しき年にふと心をよぎった


だが狩人は直ぐに希望を打ち消した

自分の狩に自慢など必要ない

天から与えられた命あるものを狩る

必要に足る獲物をわずかに分け与えてもらう

狩猟とはそういうものだ

そしてそういう生き方を今年もしよう


狩人は天を仰ぎこころに誓った





 【No.190】love ¨  2018/12/27 (Thu)
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True love begins when nothing is looked for in return.
ー Antoine Marie Jean-Baptiste Roger de Saint-Exupéry ー

ここにも素敵な一年が訪れますように





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Square Bolivar.


坂の石畳に靴音が響く。

何処か遠くから話し声が聞こえる。

しばらくたつと、また静けさがもどる。

パリの深夜は、こんな時間が繰り返される。


エリック・サティのジムノペディを聴く。

3/4拍子に包まれて、長い夜に浸る。




※「ジムノペディ」が作られたのは1888年。
翌年にはパリに話題のモニュメント、エッフェル塔が登場している。
世紀末にむけて、多くの作家が新しい表現を求め錯綜していた。







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夫婦の会話というのは
いつの日もぎこちない

恋愛の駆け引きや
探り合いも消えて

そこにあるのは緊張感のない間と
ぼんやりとした安心感だ

まして長い年月を過ぎると
相手がもうひとりの自分にも見える



柔らかな日差しのなか
出会った頃に戻り話しかけてみる

そこには気づかなかった
もうひとりの相手がいるかもしれない





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パリの南、アルレ広場にほど近い場所。
この一帯にも再開発の波がゆっくりと近づいている。

やがて目の前にある建物も姿を消す日がくるだろう。
建て替えられる建物と広がる空き地。

その狭間で100年以上前に建てられた建物が、
わずかな息遣いを潜めて佇んでいる。



イアホンからFly Me to the Moonが流れる。

遠い日本で、あなたはもう疲れて眠っているかもしれない。
かすかな寝息をたて、どんな夢をみているのか。


風が口笛を吹きながら、街を走りぬけていく。





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